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2006年12月12日 (火)

雪の桜 ユキノサクラ

その径を半分塞ぐように その樹は常にそこに在る

柔らかな赤みを帯びた新芽を出し
やがてしなやかな若葉を茂らせる
季節がめぐるままに葉は厚みを増し
おとす影さえ 柔らかな灰色から 濃い黒になる
その木陰でヒトは束の間 息をつき
夏のひとときをイノチは楽しむ

やがてその葉は色を変え
足元に戯れ 音楽を奏でる
葉をはぐくんだ枝は今 誇らしげに
高い空にその姿を誇示して 雲を指し示す
ヒトは反対に背を丸め うつむき加減に歩みをすすめる

気配の温かさが ヒトの視線を上げるとき
その樹が 桜だと思い出す
やわらかな桜色が径いっぱいに あふれだし 
ヒトのココロを染め上げる

やわらかで鮮やかな ハルのキオク ハルの見せる幻影

同じように時はめぐり ヒトの視線が下を向き
枝だけが空を見上げる季節

めずらしく雪がふりつもったその夜のこと
足元を気にしてさらにうつむくヒトの視線が ふと上がる



枝という枝に積もったやわらかな雪が 
月明かりにほんのりうかびあがる
そのやわらかなアカリが ヒトのキオクを呼び覚まし
ハルの幻影を そこに見せる

張りつめた寒気のなかで見る 雪のサクラ 
ハルの幻影 ハルのキオク

今はそこにない その幻影が
雪のサクラを鍵として 
ハルのキオクを呼び覚まし 
現在と未来を重ね合わせる



雪のサクラを鍵として わたしはハルの幻影を見る
わたしのココロに確かに在る ハルのキオクがよみがえる

わたしのココロに ハルのキオクが きちんと在ることのシアワセ
鍵に合う鍵穴が ココロにきちんと在ることのシアワセ


貴方のココロに 同じキオクがあるとしたら 
わたしの鍵をわたしたら 
貴方は同じ ハルの幻影を見てくれるでしょうか

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